NFT NYC 2022 展示会報告
日時 | 6/20~6/23/2022 NYの New York Marriott Marquis ホテルを中心 |
目的 | 4th NFT NYC (NFTの世界最大の展示会) |
出席者 |
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概要
NFTのスパーボールと呼ばれる世界最大のイベントで、家電業界のCESに例えられる。参加者は、アーティスト、NFTコレクター、サポーターの20代~40代前半層の比較的裕福層。世界からNFTコミュニティメンバーが終結しパーティーやNFTのIRL展示会が行われる。
近年はNFT保有者だけでなく、それを支えるWeb3、ブロックチェーン、DeFi、ゲーム、リーガルなどの関連企業のスポンサー出展が多い。
*入場券は700ドル以上と高いが、食事・おやつ・パーティー費用などが含まれているのでお得感あり。

イベント
- 各社展示やセミナー: ニューヨークのタイムスクエアを中心としたホテル内、ホテル外のプライベート会場が100以上あるため全てを網羅することは不可能。事前登録制、NFT保有者のみなどの制限があるため事前計画し登録することが重要。このイベントに合わせて製品リリースや説明会を開く会社も多く、注目している製品や会社幹部の話をプライベート会場で聞いたりする絶好のチャンス!
- プログラム:1,500人のスピーカーのセッションはネット上と同じ製品説明で意味がない。パネルディスカッションはほどんど準備せずにパネルが言いたいことを話すので物足りない。注目している人物や会社のセッションを聞くだけで充分だろう。ただし、弁護士などが提供するNFTの法的なプログラムと、技術者向けのプログラムは比較的内容が充実している。またNFTで環境問題に対応するソーシャルNFTなどは、新しい取り組みが多いのでニッチだが興味あれば面白い。
- パーティーやエアドロップ:夕方に行われるパーティーは各NFTコミュニティを盛り上げるために行われている。ヤング層向けのため夜遅いのと、入場管理がNFTトークンゲート方式である。人気のパーティーは長蛇の列で1時間待ちが当たり前。エアドロップもあるが今年はベアマーケットということもあり盛り上がらす、IRLのMerchを購入・もらう方がお得感有り人が多い。 ただし、Doodleのように開催期間に合わせてロードマップやRevealをするNFTコミュニティでの参加は盛り上がった。
面白そうな展示・プログラム紹介
個人的な観点ですが、新しい取り組みをピックアップしました。
- TreeTrunk: 日本国内の楽座に似たアプローチ。IRLアーティストの作品をNFT化してマーケットプレースで販売する。
- Virtualhumans: 最近流行りの知的財産コマーシャル権が所有者に付属するNFTの活用会社。自分のアバターとして使うこのとにより、NFTの価値を上げ収益フランチャイズモデルを作成できる。
- Bueno: Generative NFTを作成するためのNO Codeツール。他にnifty generatorがあるが 最新機能Smart Contract作成、Microverse作成などが付属しておりNFTプロジェクトの作成が短時間にできる。

NFT関連の法律
NFTの法律準拠 | 担当者 |
| Yuga LabがCryptPunkを買収後に所有者にIPコマーシャル権を3/22与えた⇒ CryptPunk NFTの価格が上昇 |
| NFT所有者がIP rightsを持っていても、Trademarkは持っていないため気をつけること |
| NFT著作権侵害は、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)での排除はオーナーの負担となる*今後改正 |
| NFTの法的権利を記載する場所はマーケットプレースで違う。また2ndマーケットでは有効でないこともありややこしいので弁護士に相談が必要 |
| ナイキとスニーカー再販者StockXとの訴訟は、国内の楽座などのNFTとIRLを紐づけるビジネスモデルにいくつかの明確化を要求しています。本物証明NFTー所有NFT販売ー |
| NFTプロジェクトでは美術品としての資産ではなく、有価証券Securitiesとみなされると証券取引のライセンスや法律が適用されます。2nd salesからのRoyality収入などかや、NFT所有によるDevident配当Utilityは不利となります。 Howey testが判断では使われます。 *Money Transaction Licenseなど |
| NFTプロジェクトでの利益での税金は有限会社(株式会社)として支払いがRoll Overも出来たりするため有利です。DAOや個人のチームだと後日、払えない額が来た場合は家なども没収されます。 |
| NFTをFragmentしたり、Investment Daoなどは、訴訟や税金賠償金がDAOメンバー個人への責任転嫁されるため注意が必要です |
| 各国でNFT販売は法律が違います。特定の国ではギャンブルと判断され会社が訴訟されるため注意が必要です。 |
| ArtistがCopy Rightをライセンスしてから5年以内に取り消しすることができます。これにより会社保有の成功しているNFTプロジェクトが消滅するリスクがあります。 |
| NFT プロジェクトがUtilityとしてRoadmapで約束を果たせない場合は、Consumer Protection Lawsuits、 Breach of Contract Claimsなど集団訴訟のリスクがあります。 |
まとめ
NFT NYC2022では、バブル時代を思い出させるようなパーティーでの盛り上がりを感じました。
その反面インフレーションの始まりという開催時期から、今後のNFTの本質的な価値を見つめなおす冷静な意見の参加者も多く出会いました。
- 現在のベアマーケットで、今後の2ETH以下の価値を持つUtilityーRoadmap型のRug Pull(資金の枯渇)が起こると、訴訟リスクを熱弁する弁護士
- NFTの市場が大きく崩れ、Blue Chipと呼ばれる残り5%のNFTプロジェクトの価格が半分になると考える投資家
- NFTの95%が無価値に2年以内になるというコレクター
- フランスから来たアーティストが嘆くヨーロッパでのNFTの認識不足
これから起こる、市場クラッシュを建設的破壊と考え、次世代に持続可能なNFT利用、生き残るNFT、新しく生まれるNFT、を作る人たちの息吹を感じる展示会となりました。現在のNFT市場1兆円産業から、2027年には20兆円近くまで伸びる業界になると予想される市場で、しばらく今後の動向には目を離せません。