”ハードウェア・ウォレット” なぜ安全?
自分の汗水たらして貯めたお金なのに、”使えない”、”差し押さえられる” というリスクは今回のロシアのウクライナ侵攻による両国の一般市民の状況から他人事ではないものになってきています。
これは、お金を預けている銀行・証券会社は預かったお金を全額保有しておらず、引き落としが殺到すると現金化が間に合わないためです。
また預貯金は、政府にコントロールされているため、未納税金を徴収するため合意なしに税務署が口座差し押さえしたり、海外送金がストップしたり、裁判所からの命令で証券口座などが凍結されることはよくあることです。
この ”預託したために自分のお金でも使えない” という問題点を解決するのが、現金もしくは “デジタル通貨(NFT)+ハードウェア・ウォレット” です。

現金とデジタル通貨の違い
現金は自宅金庫に保管すれば、自分のお金として守られます。タンス預金のメリットは、銀行や国に知られず貯蓄できることです。
しかし、デメリットは災害や盗難のリスクだけでなく、相続時の税務署調査対象になったり利息が付かないということがあります。中でも最大の問題は、自宅金庫の現金は様々な”心配”が付きまとうことで精神衛生上よくありません。
デジタル通貨(NFT)は現金と類似しており、近年では世界各国で使用したり現金化することもできます。災害や盗難のリスクが少なく、利息を得る運用ができます。デメリットは、スマホやPCで購入・管理するためITの知識が必要となります。

デジタル通貨を購入する
日本円のステーブルコインについて: 日本国内には、JPYC JPYV JPYX Y-TORAなどが登場してきています。これらはプリペイドカードやAmazonギフト券などと同じ「前払式支払手段」といって、資金決済法上の通貨建資産にあたるので仮想通貨(暗号資産)ではありません。これらの日本円のステーブルコインのドル・ステーブルコインとの違いは、”現金への払い戻しが出来ない” ということです。今後は、現金化が可能な日本円ステーブルコインが銀行や資金移動業者からの発行を期待しています。
仮想通貨やNFTを管理する
仮想通貨や NFTの保管・管理にはウォレット(財布)というものを使います。このウォレットはパスワードを入力して利用できるもので、ソフトウェア型とハードウェア型の2つのタイプがあります。その中で安全なのはハードウェア型です。
ワレット(財布)管理者は、”取引所” ”第3者機関” ”自己管理” の3つがあります。
- ”取引所” (exchange Custody): 取引所に委託して管理・運用する
- ”第3者機関”(3rd party Custody) :第3者機関に委託して管理・運用する
- ”セルフ・カストディ(Self Custody)”: 自分で管理・運用する


タンス預金として使うのは、上記の ”セルフ・カストディ”+”ハードウェア型” となり安全性では一番です。(以前は、このウォレットの設定などに手間がかかったり、ウォレットをなくしたりパスワードを忘れたりした場合には暗号資産を失う恐れがある、といった点がデメリットでした。しかし、近年では簡単になり、ウォレット管理を複数人で行うことなどもできるようになったため、家族や会社役員などで金庫のように使用できることから普及しました。)
※代表的なブランドは、Trezor OneとLedger Nanoでアマゾンなどで数万円で購入できます。(アマゾンより製造会社から直接購入が安全です)※少し高いですがTrezor-Tは割鍵などが出来ておすすめです。
※使わない時はオフライン化(コールド保存という)できるためハッキングなどに強い!
まとめ
デジタル通貨のタンス預金は、自宅・会社の金庫でキャッシュを管理するように、ハードウェア・ウォレットという金庫を使い管理することが可能です。
近年の物価不安定、突然の災害、政情不安定な中、もしもの時の従業員への給与支払い分や備蓄用の現金が必要です。 そのため、会社の金庫においてハードウェア・ウォレット” の利用がグローバル企業で増加しています。
現時点では ”米ドル” となりますが、「ボーダーレス」「分権型運用」「運用手数料の安さ」などの特徴を生かした今後の資産保管方法として注目されています。
”もしもの時の貯金” にタンス預金を考える方は少額からでも試してみるのもよいでしょう。